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武田 勝弘

自分の住んでいる市町村以外の戸籍謄本の取り方

更新日:11月9日

 相続手続きのため戸籍謄本が必要。しかし、本籍地が住んでいる市町村と別の市町村。そんな場合でも、住んでいる市役所で戸籍謄本を取ることが出来ます。

 そんな戸籍謄本の広域交付について、愛媛県松山市の司法書士が解説いたします。

戸籍謄本

【戸籍謄本の広域交付制度】

 以前は、戸籍謄本を取るには本籍地の市役所に直接出向いて取得するか、郵送で取得する必要がありました。しかしながら、令和6年3月1日から戸籍謄本の広域交付制度が始まり、どこの市役所でも全国の戸籍謄本を取得出来るようになりました。



 相続の手続きをする時は、多くの戸籍謄本を集める必要があります。そんな時でも、住んでいる場所の市役所、職場の近くの市役所など、自分が行きやすい市役所に行けば戸籍謄本をそろえることが出来るようになったのです。


 しかし、いくつかの注意点があります。

①兄弟姉妹の戸籍謄本は取れない。

②代理で戸籍謄本が取れない。

③一部、対象外のものがある。

④その他


①兄弟姉妹の戸籍謄本は取れない。

 広域交付制度で戸籍謄本が取れるのは、本人、本人の配偶者、親、祖父祖母、子、孫等直系の親族のものだけです。相続人が兄弟や甥姪だった場合は、直接、その人の本籍地の市役所で取るか、郵送で請求する事になります。


②代理で戸籍謄本が取れない。

 例えば、高齢の方が市役所まで出向くのは大変だ。信頼している近所の方や福祉関係者に、代わりに戸籍謄本を取って来てもらいたい。こんな場合、通常は委任状を書けば代わりに戸籍謄本を取って来てもらうことは可能です。しかし、この広域交付制度は代理人が取ることが出来ないので、必ず、本人が市役所まで出向く必要があります。


③一部、対象外のものがある。

 広域交付制度で取得出来る戸籍謄本はコンピュータ化されている戸籍謄本に限ります。古すぎたり、何らかの理由でコンピュータ化されていないものは取得できません。

 また、戸籍謄本は取得出来ますが、戸籍抄本は取得出来ません。戸籍謄本とは、その戸籍に入っている全員が記載されたものです。戸籍抄本とは、その中の一部の人だけを記載したものです。

 他に、本籍地で取得出来るものとして、戸籍の附票と言う書類があります。しかし、この戸籍の附票は広域交付制度では取得出来ません。


④その他

 その他の注意点として、あくまで市役所に直接出向いて取得する必要があります。ですので、郵送で広域交付制度の利用は出来ません。

 他に、意外にこの点に触れられてるものを見かけないのですが重要な注意点があります。

 それは、閉庁時間、つまり、市役所が終わる時間間際に取りに行かないと言う事です。

 実は、この広域交付、市役所内ではかなりアナログなやり方で戸籍謄本を発行しています。どう言うことかと言うと、まずあなたが出向いた市役所で請求のあった戸籍謄本を印刷します。その後、市役所の職員が本籍地の市役所に電話をします。そして、本籍地の市役所に電話で間違いがないか確認した後、あなたが出向いた市役所があなたに戸籍謄本を発行します。つまり、閉庁時間が来ると、例えあなたの目の前の市役所職員が対応してくれていたとしても、相手先の本籍地の市役所が閉まってしまうのです。もちろん、先ほどの本籍地の市役所の確認が行えないので、戸籍謄本を発行してもらえなくなります。

 なので、広域交付を利用する場合は時間に余裕を持って、閉庁時間間際に行かない事が大切です。


 戸籍謄本の取り方がよくわからないと言う方は、司法書士にまかせると言う方法もあります。また、自分で集められるだけ集めて、よくわからない部分だけ司法書士に依頼すると言う方法もあります。


 

【まとめ】


 本籍地以外の近くの市役所で戸籍謄本は取得可能。


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