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例えばAさんがBさんに家を売ったとします。BさんはAさんに代金を支払い、買った家に住み始めました。しかし所有権移転登記はしませんでした。しばらくたってAさんは自分に登記があることをいいことに、CさんにBさんに売ったはずの家を売り、今度はAさんからCさんへ所有権移転登記をしました。しかし家にはBさんが住んでいますのでCさんは家に住めません。
この時、Cさんが「Aさんから家を買ったんだからBさん、出ていけ」と裁判をしたときにどうなるかです。
まずAさんとBさん、AさんとCさんは売買をした当事者同士です。こちらは実は登記の有無は関係ありません。
問題は、BさんとCさんの関係です。BさんとCさんの間では売買をしたわけではありませんので第三者です。
ここで出てくるのが第三者対抗要件です。
第三者対抗要件とは第三者に主張できるという意味なので、登記のあるCさんは第三者であるBさんに家の所有権を主張できます。それに対し、Bさんは登記がありませんので第三者であるCさんに家の所有権を主張できません。
最初の裁判に戻ると、CさんはBさんに対し自分の所有権を主張できますから「Bさん、出ていけ」という裁判はCさんの勝ちです。Bさんは家から出ていかなければなりません。
ちなみに不動産の場合、たとえCさんがAさんから家を買うときにBさんがその家に実際住んでいることを知っていたとしてもCさんの勝ちとなります。
蛇足ながら家から追い出されたBさんはAさんに「お金を返せ」と言う権利はあります。しかし、AさんはBさんとCさんに二重に家を売ってしまうようなことをするような人です。お金に困っていることが予想されますので、現実的には借金返済に全部使ってしまってお金がなかったり、場合によっては夜逃げしたりと、BさんがAさんからお金を取り戻すのは難しいと思われます。
