1円たりとも相続させたくない相続人がいる。しかし、相続人には遺留分と言う権利がある。どうすれば良いの?
そんな方に愛媛県松山市の司法書士がわかりやすく解説します。
相続人が配偶者、子、孫、親などの時、それぞれの相続人には遺留分と言う相続財産の一部をもらう権利があります。
相続人が長男と二男の二人だったとします。あなたが、長男に全財産を相続させたいと思い、『全財産を長男に相続させる』と言う遺言書を残したとしましょう。この時、二男が遺留分を主張すると、長男が4分の3、二男が4分の1、それぞれ相続する事になります。(遺留分について詳しく知りたい方は『遺留分って何?』と言うコラムをご確認ください)
【廃除】
あなたが、どうしても全財産を長男に相続させたい。二男の遺留分の権利を行使出来ないようにしたい。そんな時は『相続廃除』を裁判所に申立てます。
相続廃除が認められると、その相続人には遺留分がなくなります。
相続廃除は2つ方法があります。一つ目は、生前に相続廃除を裁判所に申立てる方法です。二つ目は、遺言書に廃除する旨を書いておいて、亡くなった後、裁判所に認めてもらう方法です。
どちらの場合も廃除される人に以下のいずれかの行為があった事が必要です。
①被相続人に対して虐待したとき。
②被相続人に重大な侮辱を加えたとき。
③その他の著しい非行があったとき。
法律上の規定では、上の3つのいずれかに推定相続人が当てはまれば、裁判所に認められる事になります。しかしながら、実はそううまく行きません。
2020年のデータによると相続人の廃除や取消しに関する申立ては310件。そのうち185件が既済で、内訳は容認43件・却下80件・取下げ60件・その他2件となっています。
なかなか廃除が認められることは難しいようです。
廃除の申立てを行うより、司法書士等相続の専門家に相談して、遺留分を考慮した遺言書を作成する方が現実的な対策かもしれません。
まとめ
一定の要件を満たす場合、廃除と言う相続人の遺留分を奪う制度がある。しかしながら、廃除が認められることは難しい。
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